第52回本因坊秀策囲碁まつり
少年少女の登龍門へ 坂井秀至七段に賞金100万
囲碁が因島「市技」から尾道「市技」に継承されて最初の行事、第52回本因坊秀策囲碁まつりが28日・29日、因島市民会館などで、プロ棋士8人をはじめアマ高段者ら約300人が参加し、行なわれた。
本因坊秀策杯
最大の呼び物であるプロ棋士とアマ代表8人が入り混じって争う本因坊秀策杯は、決勝戦で関西棋院の坂井秀至七段が日本棋院の松本武久六段を中押しで破り賞金100万円を手中にした。また一回戦で、アマチュア多田遼太郎さん(岡山市・中学2年)と吉松昭三さん(福山市)の2人がプロを破り2回戦に進んだ。
一回戦 松本武久六段(日本棋院)1目田中伸拓(近江八幡市)▽多田遼太郎(岡山市)5目山本賢太郎四段(日本棋院)▽後藤俊午九段(日本棋院)4目服部清彦(大阪市)▽小西和子八段(関西棋院)中押し岩井竜一(岡山市)▽坂井秀至七段(関西棋院)中押し岡野稔(瀬戸田町)▽首藤瞬四段(日本棋院)中押し入江愼爾(三原市)▽吉松昭三(福山市)1目郡寿男九段(日本棋院)▽久保田大二段(関西棋院)6目多田善則(高松市)
二回戦 松本中押し多田(遼)▽後藤中押し小西▽坂井中押し首藤▽久保田8目吉松
三回戦 松本8目半後藤▽坂井中押し久保田
決 勝 坂井中押し松本
クラス別競技大会
今回の大会でも小中学生の活躍ぶりは目を見張るものがあった。秀策杯では中学2年の多田遼太郎さんがプロを破り2回戦に進出の金星。5段4段戦のいずれも中2の大沢侑也さんと内田聡さんが優勝。6段以上戦2位に17歳の志茂到さん、5段戦2位が中3の深坂風子さん、同3位に小5の足森翔太さん。さらに6段以上戦に小2の坂倉健太さん(広島市)が出場し、1勝した。
6段以上戦
- 伊達 昌喜(丸亀市)
- 志茂 到(広島市)
- 日高 雅博(埼玉県久喜市)
5段戦
- 大沢 侑也(今治市)
- 深坂 風子(香川県多度津町)
- 足森 翔太(大阪府大東市)
4段戦
- 内田 聡(福山市)
- 松冨 功(倉敷市)
- 四宮 勝(上島町)
3段戦
- 野村二三四(高知市)
- 杉野 稔(広島市)
- 伊勢 木武(江田島市)
2段戦
- 三次雄太郎(三原市)
- 神囿 敦之(福山市)
- 西山美智子(丸亀市)
初段戦
- 平井 整二(長崎市)
- 幡地 良雄(因島土生町)
- 松田 正臣(倉敷市)
級位戦
- 吉原 康行(向島町)
- 井上 茂治(尾道市)
- 上岡 正吉(向島町)
観戦記
賞金額、勝って100万円。負けても30万円。という本因坊秀策囲碁まつりのメイン・イベント、プロ・アマ代表トーナメント決勝対局は坂井秀至(ひでゆき)七段(関西棋院)と松本武久六段(日本棋院)が勝ち上がり、坂井七段が中押しで優勝賞金を獲得した。
この結果、過去通算8回のうち関西棋院代表5連勝アマ代表は前回の準優勝がある。今回は岡山代表の中学2年生の多田遼太郎君が1回戦でプロの山本賢太郎四段を破る金星が話題になった。地元尾道市因島を代表する岡野涼太6段(大阪商業大学1年)と峯松昌彦6段(弓削商船高専)は予選で敗退した。
52回目を迎えた本因坊秀策まつりはハイレベルの囲碁愛好家の仲間から認められ全国から力だめしに参加する高段者が増えてきた。なかでも、中・高生徒のプロを目指す実力を計る登龍門ともいえる一面も見えてきた。なによりも、囲碁まつりでプロと直接対局して指導を受けられるのが魅力だというファンも多く、尾道合併と囲碁まつりの将来を占う2日間だった。